きみに初恋メランコリー
いつもは彼女が座っていた特等席に、ゆっくり、腰をおろす。
そうしてそっと、黒い蓋を押し開けてみた。
濃い紫色の布をはずすと、現れたのは白と黒のコントラスト。
適当な場所をひとつ、鍵盤を指で押してみる。
ポーン、とその音は思ったよりも響いて、そして少しの余韻を残してから、消えた。
「……ん?」
ふと目についた、足元にある金色のペダル。
その影に何か白いものが見えて、俺は1度椅子を下りてから、屈んでそれを拾ってみた。
「……なんだ、」
なんの変哲もない、ただの四つ折りにされたルーズリーフだ。
綺麗好きな花音ちゃんが、こんなところにゴミを捨てるとは考えられない。きっと、誰か別の人物がこの部屋に入ったときにでも捨てていったか、はたまた落としていったか。
俺はもう1度椅子に腰かけながら、なんともなしに、その無造作に折りたたまれた紙を広げてみる。
広げて、みて──俺は、思わず目を見開いた。
そうしてそっと、黒い蓋を押し開けてみた。
濃い紫色の布をはずすと、現れたのは白と黒のコントラスト。
適当な場所をひとつ、鍵盤を指で押してみる。
ポーン、とその音は思ったよりも響いて、そして少しの余韻を残してから、消えた。
「……ん?」
ふと目についた、足元にある金色のペダル。
その影に何か白いものが見えて、俺は1度椅子を下りてから、屈んでそれを拾ってみた。
「……なんだ、」
なんの変哲もない、ただの四つ折りにされたルーズリーフだ。
綺麗好きな花音ちゃんが、こんなところにゴミを捨てるとは考えられない。きっと、誰か別の人物がこの部屋に入ったときにでも捨てていったか、はたまた落としていったか。
俺はもう1度椅子に腰かけながら、なんともなしに、その無造作に折りたたまれた紙を広げてみる。
広げて、みて──俺は、思わず目を見開いた。