きみに初恋メランコリー
「えと、先輩……外、見てたんですか?」
「ん~? うん」
彼はわたしの質問に答えながらも窓枠に片肘を置き、そしてまた、視線を窓の向こうへと戻す。
「この教室から、第1グラウンドよく見えるんだなぁって思ってさ」
「……? 第1グラウンド、ですか?」
「俺、サッカー部だから。部活であそこ使うんだよね」
一定の距離を保ったまま先輩と同じように窓の外へ目を向けてみれば、たしかに茶色いグラウンドが広がっている。
そう、そこにグラウンドがあることはもちろん知っていた。……でも。
新たな発見に、わたしはつい、また口を開く。
「先輩、サッカー部なんですか……?」
「うん、一応キーパーやってる。ほとんど毎日、朝と放課後はあそこで泥にまみれて青春してるってわけ」
ニヤリと笑いながら、そう言った彼。
わざとおどけたようなその言い回しに、それまで緊張していたわたしからも思わず笑みが漏れる。
「ん~? うん」
彼はわたしの質問に答えながらも窓枠に片肘を置き、そしてまた、視線を窓の向こうへと戻す。
「この教室から、第1グラウンドよく見えるんだなぁって思ってさ」
「……? 第1グラウンド、ですか?」
「俺、サッカー部だから。部活であそこ使うんだよね」
一定の距離を保ったまま先輩と同じように窓の外へ目を向けてみれば、たしかに茶色いグラウンドが広がっている。
そう、そこにグラウンドがあることはもちろん知っていた。……でも。
新たな発見に、わたしはつい、また口を開く。
「先輩、サッカー部なんですか……?」
「うん、一応キーパーやってる。ほとんど毎日、朝と放課後はあそこで泥にまみれて青春してるってわけ」
ニヤリと笑いながら、そう言った彼。
わざとおどけたようなその言い回しに、それまで緊張していたわたしからも思わず笑みが漏れる。