きみに初恋メランコリー
しおちゃんいわく“いまいましい”数学が終わった、2限目の後の休み時間のこと。
次の情報処理の授業は、パソコンのある教室に移動しなくてはいけない。
そろってホームルーム教室を出たわたしとしおちゃんは、廊下の一角にできていた人だかりに思わず顔を見合わせた。
「なんだろ?」
「さあ……」
男女合わせて、10人ほどが集まっているそれ。
よく見ると中心あたりには、男子生徒用のスラックスが見える。
「へー、前は九州の福岡に住んでたんだ!」
「やっぱりこっちと気候も違うのー?」
「……ああ、ウワサの転入生か」
意図せず聞こえてきた会話に納得して、しおちゃんはたいして興味もなさげに小さくつぶやいた。
わたしも特に気にとめず、そのまま彼女と連れだって階段の方に向かおうとすると。
「あっ!! ちょっと待て、そこの人!!」
「……!!?」
突然、後ろから大きく声をかけられる。驚いたしおちゃんとわたしは、そろって振り返った。
声をかけてきた人物は、なんと件の転入生だったらしく。自分を取り囲むように立っていた生徒たちの間を抜けて、こちらに近づいてきた。
と、いうか……わたしの、方に?
次の情報処理の授業は、パソコンのある教室に移動しなくてはいけない。
そろってホームルーム教室を出たわたしとしおちゃんは、廊下の一角にできていた人だかりに思わず顔を見合わせた。
「なんだろ?」
「さあ……」
男女合わせて、10人ほどが集まっているそれ。
よく見ると中心あたりには、男子生徒用のスラックスが見える。
「へー、前は九州の福岡に住んでたんだ!」
「やっぱりこっちと気候も違うのー?」
「……ああ、ウワサの転入生か」
意図せず聞こえてきた会話に納得して、しおちゃんはたいして興味もなさげに小さくつぶやいた。
わたしも特に気にとめず、そのまま彼女と連れだって階段の方に向かおうとすると。
「あっ!! ちょっと待て、そこの人!!」
「……!!?」
突然、後ろから大きく声をかけられる。驚いたしおちゃんとわたしは、そろって振り返った。
声をかけてきた人物は、なんと件の転入生だったらしく。自分を取り囲むように立っていた生徒たちの間を抜けて、こちらに近づいてきた。
と、いうか……わたしの、方に?