きみに初恋メランコリー
「花音ちゃん、もしかしてサッカー部の練習見に来てくれたの?」
「え、あ……はい」
「そっか。おもしろいかどうかわかんないけど、ゆっくり見といでよ」
「は、い」
コクリと彼女がうなずいたのを確認して、部員たちのいるベンチのあたりへと戻ろうとする。
その俺の肩に、がしっと背後からゴツい腕がまわされた。
「なにこの子、ハセの彼女?」
「……本間(ほんま)」
むさ苦しい男の密着にうんざりした顔をしながら、俺はそのチームメイトの名前をつぶやいた。
ギリギリ許される程度に染めた茶髪に、少しタレた瞳。ミントのようなハーブ系の制汗剤の香りが、そいつからふわりとただよってきた。
フェンス向こうの花音ちゃんは、突然のこの男の登場に、きょとんと目をまたたかせている。
「違うよ本間、彼女とかじゃなくて。このコは1年生の、月舘 花音ちゃん」
「へ~」
「あ、こ、こんにちは」
そう言って彼女は、ペコリとフェンスの向こうで頭を下げた。
にっこり、未だに俺の肩に腕をまわしながら、すぐそばにある顔が笑みを浮かべる。
「え、あ……はい」
「そっか。おもしろいかどうかわかんないけど、ゆっくり見といでよ」
「は、い」
コクリと彼女がうなずいたのを確認して、部員たちのいるベンチのあたりへと戻ろうとする。
その俺の肩に、がしっと背後からゴツい腕がまわされた。
「なにこの子、ハセの彼女?」
「……本間(ほんま)」
むさ苦しい男の密着にうんざりした顔をしながら、俺はそのチームメイトの名前をつぶやいた。
ギリギリ許される程度に染めた茶髪に、少しタレた瞳。ミントのようなハーブ系の制汗剤の香りが、そいつからふわりとただよってきた。
フェンス向こうの花音ちゃんは、突然のこの男の登場に、きょとんと目をまたたかせている。
「違うよ本間、彼女とかじゃなくて。このコは1年生の、月舘 花音ちゃん」
「へ~」
「あ、こ、こんにちは」
そう言って彼女は、ペコリとフェンスの向こうで頭を下げた。
にっこり、未だに俺の肩に腕をまわしながら、すぐそばにある顔が笑みを浮かべる。