きみに初恋メランコリー
「ごっ、ごめんなさいわたし、あの、決して馬鹿にしたわけでは……っ」

「……あ、うん。それはまあ、いつものことだから気にしなくて大丈夫なんだけど」



パタパタと両手を振って、焦ったように弁解する花音ちゃん。

彼女に言葉を返し、思わず本間と顔を見合わせて苦笑いした。

そうなんだよな。忘れてたわけではないんだけど、このコかなりの美人さんなのだ。

いや、花音ちゃんの場合は『かわいい』という表現の方がしっくりくるのかもしれないけど。

そんな花音ちゃんとふたりきりで、しょっちゅう昼休みに彼女の弾くピアノをBGMに雑談しているだなんて……そんな贅沢本間に知られたら、1度と言わず2度ほどぶん殴られそうだ。



「……ねー、花音ちゃん」

「な、何ですか?」



するとそこで本間が、あながち冗談でもさなそうな声で、口を開いた。



「花音ちゃんさ、サッカー部のマネージャーとか興味ない?」

「え?」



突然のその言葉には俺も驚いて、思わず本間に視線を向ける。
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