きみに初恋メランコリー
けれど次の先輩のセリフに、わたしの気持ちは一気に急降下することになる。
「それで──もし花音ちゃんの友達で行きたい人がいれば、その人にも伝えておいてほしいんだ」
「え」
思わず、わたしはまた手を止める。
視線の先の奏佑先輩は、いつもと同じ微笑み。
「やっぱさ、ふたりだけより、人数多い方が楽しくていいし。それにふたりきりだと、誤解されたりとかいろいろあるしねー。花音ちゃんも、それは嫌でしょ?」
「……ッ、」
誤解? 誤解って、たとえばわたしと先輩が、恋人同士に見えるかもしれないとか?
……わたしは、それでもかまわないのに。
だけどそんなこと、口にできない。
ましてや先輩本人の前でなんて、絶対に言えない。
そしてわたしは、あることに気がついた。
──もしかして奏佑先輩には、誤解されたくない人が、いるの?
わたしと恋人同士に見られたら、困る人が、いるの?
ただそばにいて、他愛ない話をしてるだけで、幸せで。
だから、考えたこともなかった。
……先輩にはもう、すきな人や付き合っている人が、いるのではないだろうか。
「それで──もし花音ちゃんの友達で行きたい人がいれば、その人にも伝えておいてほしいんだ」
「え」
思わず、わたしはまた手を止める。
視線の先の奏佑先輩は、いつもと同じ微笑み。
「やっぱさ、ふたりだけより、人数多い方が楽しくていいし。それにふたりきりだと、誤解されたりとかいろいろあるしねー。花音ちゃんも、それは嫌でしょ?」
「……ッ、」
誤解? 誤解って、たとえばわたしと先輩が、恋人同士に見えるかもしれないとか?
……わたしは、それでもかまわないのに。
だけどそんなこと、口にできない。
ましてや先輩本人の前でなんて、絶対に言えない。
そしてわたしは、あることに気がついた。
──もしかして奏佑先輩には、誤解されたくない人が、いるの?
わたしと恋人同士に見られたら、困る人が、いるの?
ただそばにいて、他愛ない話をしてるだけで、幸せで。
だから、考えたこともなかった。
……先輩にはもう、すきな人や付き合っている人が、いるのではないだろうか。