お見合い相手は無礼で性悪?
『あのさ、この際だからハッキリ言っとくけど、君がなんと言おうが僕と君は結婚する
それは紛れもない事実。だから無駄な抵抗はやめて楽しくやろうよ
ほら学歴も家柄も身長も顔も・・どれもイケてるだろ?
興味があるとかないとかこの際関係ないんだから条件は良いに越したことはないぜ?』
まさかこんなことを言われるとは思わず
頭の中で乾いた声が木霊する
『興味がなくても結婚できるの?』
少し俯きながらながら投げた質問は
『あぁ、出来るさ』
想像通りの答えが返ってきた
『サァ』
この手に掴まれと言わんばかりに
差し出された手を避けて降りた私は
ドンッと
ドアを閉めた彼によって
車を背に車ドン?されるように長い腕に囲い込まれた
「・・・っ」
エレベーターで追い詰められたことが蘇り
身体が緊張で動かない
『どうしたの?震えちゃって』
小馬鹿にした物言いに言い返そうとするけれど
言葉が見つからないばかりか
彼の顔が近づいて・・
その瞳に映った私の顔が
大きくなって消えた