お見合い相手は無礼で性悪?
体重をかけないように配慮されているのか
覆い被さる彼の重みは感じない
溺れるように翻弄される大人のキスに
頭の中は真っ白になった
やがて、胸元に伸びてきた手は
パジャマのボタンにかかった
『・・・っ』
咄嗟に彼の手を押さえる
『だいじょうぶ』
緊張に震える耳元で囁やいた彼は
ギュッと抱きしめると、もう一度
『だいじょうぶ』とおまじないをかける
その声に少し肩の力が抜けると
啄むようなキスの合間に
気がつけばボタンが外されていた
初めて晒した肌がどう見えているのか
その恥ずかしさに身体中が火照る
何度も重なる唇が離れると
彼は『綺麗だ』と
露わになった肌にキスの雨を降らせる
やがて・・・
膨らみへとたどり着くと
その先端にチュッとリップ音を立てた
身体の表面を走る痺れにも似た感覚
彼の大きな手に形を変えられるだけで
感じたことのない感覚も生まれ、吐息が漏れた
彼の唇が触れるたび
敏感になりすぎた身体が跳ねる
身体の中で灯る熱は
唇から甘い吐息へと変わる
『愛華、可愛い・・・』
唇より熱い舌が滑る肌は
粟立つような痺れに包まれた
『終わり』
チュッとリップ音を立てて唇にキスをした彼は
パジャマを直すとボタンを留めた
『・・・?』終わり?
始まりも終わりも突然過ぎて
戸惑いながら目蓋を開く
間近で微笑む彼は
『ごめんな、つい』
そう言って頭を撫でた
『どうして謝るの?』
結婚式を待つばかりの二人に
“間違い”はない
そう思った私は
『二人の初めては思い出の残る場所がいい』
ロマンチックに話す彼に驚かされた
『でも、ちょっと待ちきれなくて
これは・・・味見みたいなもんだな』
苦笑いで頭を掻く様子に頬を膨らませてみたけれど
彼の笑顔を見ているだけで
釣られて笑っていた