気付いたら
「ただいま。」
バタンッ。
「あら真璃子、お帰り。
今日は、遅かったのね。」
「うん。」
私は、お母さんと2人で暮らしてる。
お父さんと、お母さんが中学に上がってすぐに別れてしまったからだ。
原因は、お父さんの浮気…
小さい頃から、ずっとそう。だから、私は寝る時にお父さんにお休みのキスをしてもらった事はない。でも、悲しいと思った事はない。
「お母さん、蒼太って覚えてる?」
「もちろんよ。蒼太君がどうしたの?」
「別に…」