漆恋を解く僕たちは。
「勝手にお邪魔してごめんなさい。

おはようございます、筧さん」


彼女の高くて澄んだ声でぼんやりしていた頭が冴えてくる。


そうか、俺は夢の中で夜を越したんだな。


やっとこれだけを理解してどうにか返事をする。


「あ…よかった…。おはようございます、紗夜さん。」
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