漆恋を解く僕たちは。
「・・・・!」

あまりの絶景に声が出ない。


一面に広がる花畑は小さな花の一つ一つが朝日を反射してキラキラ光っていて眩しいくらいだ。


さわさわと風に揺れる音が心地いい。


「・ ・ 素敵ですね・ ・!

俺、こんなに綺麗な景色見たことないです。」



「ふふっ、これはネモフィラっていう花で、5月頃に咲く花なんですよ。

それよりも、あまり驚かないんですね。

もう少しびっくりさせられると思ったのに。」


残念がるような口調に似合わず楽しそうに笑う彼女に、小さなネモフィラの花がよく似合っている。
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