漆恋を解く僕たちは。
雅也さんと見つめあってるみたいで凄く恥ずかしい…
「お願い」を伝えようとしてもなかなか声も出ないし、顔もどんどん熱くなる。
耐えられなくて思わず下を向いた。
私はそのまま、かすれるくらい小さな声でお願いをした。
「あの…、お願いがあるんです。」
「どうぞ。俺まだ紗夜さんに何もお礼もできてないですし。俺に出来ることなら喜んで」
「…紗夜って呼んでほしいんです…!」
思い切って顔を上げたら、何故か彼もうつむいていた。