漆恋を解く僕たちは。
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目が覚めると丘の上で横になっていてさわさわと草が揺れていた。


「雅也さん────・ ・ ・」



(もしあの時私がなにか言えていたら・ ・ ・)


今までも何度も何度も後悔してきた。


ここに来てからもずっと1人で考えていた。



それから《筧 悠也さん》と出会って…。


一瞬、彼と恋をするのだと期待して、けれど彼はすぐに消えてしまった。



゛・ ・ ・私、いつまでここに居るのかしら。これからもずっと1人で・ ・ ・? もう嫌・ ・ ・。゛


起き上がって木の根元まで行くと、寄りかかって座り込んだ。



ポンッ…


私はまたいつものように本を出して読み始めた。


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