漆恋を解く僕たちは。
紗夜さんは清楚で可憐な子だった。


子供みたいにはしゃいでるのに彼女の動作の一つ一つはとても洗練されていて 物語に出てくるようなお姫様を連想させた。

整った容姿に綺麗な銀色の髪。

その特徴的な色の髪はよけいに彼女を美しく見せていて、彼女の真っ白な肌とよく似合っていた。


゛雪の妖精゛

彼女の容姿はそう形容するのがぴったりな気がした。


本人が言うには、゛昔は茶色だった゛らしいのだけど。




「夕日…すごく綺麗。、、また明日も一緒に見てくれますか?」


「もちろんです。あの…、紗夜さん、でいいですか?

その…呼び方、なんですけど。」


「ふふ、紗夜って呼んでもらえると嬉しいです。」


そう言って屈託なく笑いかけてくる姿がかわいくて、俺もつられて微笑み返した。


出会い方が凄く…少々印象が強かったからか、会ったばかりなのに俺と彼女はすっかり打ち解けていた。


「じゃあ、今日の筧さんのおうちはあそこです。」


そう言って彼女が指さすほうを見てみると、小さなログハウスがたっている。


「え、、、!だってさっきまでは周りに何も…!どうゆう…」


「クスッ…。それはまた明日。あたしはあっちのおうちにいますから、困ったら呼んで下さい。」


紗夜さんはそう言って俺の家« ?»とは木を挟んで反対方向へ歩いていった。


一人取り残された俺はとりあえず家に行ってみることにした。


到着し、中に入ると小さな窓とゆったりしたベッドがあった。


本当にそれだけで、ここに住むにはいろいろ足りない気もする。


一人になってやることもないし…寝るか。

そう思ってベットに潜り込む。


なんかどこまでもリアルな夢だったなぁ…

夢…、夢?そうだった!これは夢なんだ!

って事は…寝て起きたらこの夢から覚めて現実に戻るのか?

その場合もう紗夜さんには会えない…のか?


そう思うと眠りたくなくて必死で頭を回転させるけど、、、


紗夜さんが用意してくれたベッドがすごく気持ちよくて俺はすぐに眠りに落ちた
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