影と闇
決意
小鳥のさえずりが聞こえてくる。
カーテンから差し込む光がまぶしい。
目をこすり、体を起こす。
いつの間にかベッドで眠っていたらしく、私の体には布団がかけられていた。
誰が布団をかけたのかはわからないけど、かけてくれたのはありがたい。
もし布団が体にかけられていなかったら、本当に風邪をひいていたところだった。
ベッドから降りようとしたそのとき。
「ん……スー、スー……」
隣から安らかな寝息が聞こえてきて、そちらのほうに視線を落とす。
そうだ。
昨日隣のベッドに沖田くんを寝かせたんだっけ。
見ると、かすかに口を開けて寝ている沖田くんの顔が映った。
まるで天使みたいな寝顔だ。
それでいて、幼さの残る可愛い顔。
女の子と間違えられてもおかしくない。
彼の寝顔に顔が熱くなる。
自分の体がベッドに倒れそうになったとき、あることに気づいた。
私がここで寝て沖田くんが隣のベッドで寝ているなら、蘭子は昨日どこで寝たんだろう。
沖田くんが泊まるはずだった部屋、なんてことはないよね。
いくら蘭子でも勝手なことはしないと思うから。
この部屋のどこかで寝てるのかな。