影と闇
なんて思いながらベッドから降り、お風呂場や他の場所に蘭子がいないか探す。


洗面所、トイレ、部屋の奥にある小部屋に顔を覗かせるが、蘭子の姿はまったく見えない。


どこにいるんだろう。


と、ここではっとした。


昨日の夜の記憶がなくなる前、この大きなクローゼットの中に着替えの服やタオルを入れたんだ。


本当は荷物全部をクローゼットに入れたかったが、蘭子がなにかを入れるために使うと思って全部は入れなかった。


そういえば私、お風呂に入らずに寝たんだ。


着替えの服とタオルをお風呂場に持っていこうと、クローゼットをそっと開けた。


すると、体育座りでスヤスヤと寝ている女の子を見つけた。


「蘭子……?」


そう、クローゼットの中で寝ていたのは、なんと蘭子だった。


なんで蘭子がクローゼットの中で寝てるの?


疑問に思ったが、蘭子を無理やり起こすと機嫌が悪くなるので、起こさないようにそっと服とタオルを取りだす。


ゆっくりと閉めて蘭子がまだ寝ているのを確認し、逃げるようにお風呂場に直行する。


お風呂場に入るといっても、2年生でもう一回集まらなければならないため、ゆっくりしてはいられない。


急いで体を洗い、髪も洗う。
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