影と闇
「ありがとね、沖田くん。じゃあまたね!」
「あっ、片桐さん……!」
引き止めようとする沖田くんをスルーして、紙袋を奪い取り、蘭子と理子ちゃんのもとへ歩く。
ふたりの姿を見つけて、慌てて駆け寄る。
「ふたりとも行くの早すぎだよ……」
「間に合わないと思ったもん。てか、私と阪口がここに来たときにはほとんど集まってたけどね」
「うん。かなり早く来たかなって思ったけど、計算違いだったみたいだね」
足がガクガク震える。
たくさん紙袋を持っているせいもあると思うけど、一番は沖田くんだよ。
昨日のおわびとお礼をさせてほしいと手紙に書いて、本当にしてもらうとは思ってなかった。
と、ここで蘭子がなにかを思いついた顔をした。
「間に合わないって言われたら茅乃、そんなにたくさんの紙袋を持ってよく間に合ったね。間に合わないかと思ったよ」
その言葉で体を震わせる。
バレたかもしれない。
たくさんの紙袋を持ちながらダッシュして間に合うわけがない。
誰かに荷物を持ってもらったんじゃないかと思われるかも。
「いや、それは……」
「あっ、片桐さん……!」
引き止めようとする沖田くんをスルーして、紙袋を奪い取り、蘭子と理子ちゃんのもとへ歩く。
ふたりの姿を見つけて、慌てて駆け寄る。
「ふたりとも行くの早すぎだよ……」
「間に合わないと思ったもん。てか、私と阪口がここに来たときにはほとんど集まってたけどね」
「うん。かなり早く来たかなって思ったけど、計算違いだったみたいだね」
足がガクガク震える。
たくさん紙袋を持っているせいもあると思うけど、一番は沖田くんだよ。
昨日のおわびとお礼をさせてほしいと手紙に書いて、本当にしてもらうとは思ってなかった。
と、ここで蘭子がなにかを思いついた顔をした。
「間に合わないって言われたら茅乃、そんなにたくさんの紙袋を持ってよく間に合ったね。間に合わないかと思ったよ」
その言葉で体を震わせる。
バレたかもしれない。
たくさんの紙袋を持ちながらダッシュして間に合うわけがない。
誰かに荷物を持ってもらったんじゃないかと思われるかも。
「いや、それは……」