影と闇

変身と変化


修学旅行が終わった次の日。


この日は修学旅行での疲れを取って授業にのぞむために、2年生だけ休みになった。


帰ってきたときには誰もいなかったけど、朝起きてリビングを見てみたら、置いていたお土産がなかったので、たぶんお母さんが手に取って自分のものにしたのだろう。


べつにそれで怒ったりはしない。


だって修学旅行で買ったお土産はお母さんのためのものだもん。


もちろんお母さんだけではなく、叔母さんや親戚にもお土産を届ける予定だ。


だけど、お土産を渡す前に行きたい場所がある。


イメチェンするために美容室に行く?


美容室に行くのはお土産を渡したあとにしようと思っているから違う。


自分に自信をつけるために見た目を変えるとミカに伝えようと思っているのだ。


そのときにミカにもお土産を渡す予定。


「よしっ」


膝を手でパンッと叩いて勇気をみなぎらせ、気合いを入れる。


中学時代の友人にイメチェンのことを話すのはちょっと勇気がいる。


ローテーブルに置いていたミカ用のお土産、さらには叔母さんと親戚に渡すお土産を手に持ち、靴をはいて家を出た。


危ない危ない。


家を出るとき、叔母さんと親戚に持っていくべきお土産を持っていくのを忘れそうになった。
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