影と闇
窓から見える空は、今の私の気持ちとは正反対の青空。


太陽の光が心地よく当たり、教室を明るく照らしてくれる。


なのに、私の心はまったく晴れない。


入学してから仲がよかった親友が誰もいない空き教室で窓ガラスを叩き割っていたという事実が今でも突き刺さっているからだろう。


『どうせ私を裏切るためにイメチェンしたんでしょ?』


末那……どうして私に対してそんなこと言ったんだろう。


裏切るつもりはなかった。


末那を裏切ろうという気持ちは1ミリもなかった。


ただ、自分に自信を持ちたかっただけなんだ。


末那ならわかってくれるかと思ったのに。


『本当に許せないんだけど‼︎』


私が自信を持つためにしたイメチェンは、末那にとって心から許せなかったことだったのかな。


もしそうだったら、一緒に服屋に行った日に言った言葉は本音だったのかもしれない。


『なんで……なんでそんなこと言うの⁉︎ 茅乃ちゃんは地味じゃないよ! 私より十分可愛いよ茅乃ちゃんは‼︎ 自覚してよ!』


泣いているのか怒っているのかよくわからない表情で、末那は私にそんな言葉をぶつけた。
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