影と闇
自分の親友は地味じゃない。十分可愛い。


その気持ちを持っていたから、私のイメチェンをよく思ってなかったのだろうか。


ごめんね、末那。


でもお願い、わかって。


自分に自信を持つためにはこうするしかなかったんだよ。


心の中でそうつぶやいた直後、教室のドアがガラッと開き、担任の先生が慌てた様子で入ってきた。


そうだ、6限は担任の先生の授業だった。


末那のことで頭がいっぱいだったから、担任の先生の授業だってことをすっかり忘れていた。


蘭子と理子ちゃんが慌てて自分の席に戻る姿を見ないまま急いで授業の準備をはじめる。


しかし、先生が突然こんなことを言いだした。


「すまん、6限は自習をしてくれ。先生はどうしてもやらなければならないことがあるんだ。もし帰りのホームルームの時間になっても来なかったら適当にやってくれ。頼むな」


若干早口になってることに気づいてないらしい先生がそう言うと、慌てたまま教室を出ていった。


突然の先生の言葉にポカーンとしていたクラスメイトだったが、先生の姿が視界から見えなくなったと同時に騒がしくなった。
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