影と闇
最初の目的地に着くまで、私たちはすれ違う人たちの注目を集めていた。


まず最初にやってきたのは、待ち合わせ場所から歩いて15分のところにある水族館だった。


水族館の中には家族連れや他のカップルで混み合っていた。


コソッと沖田くんに話しかける。


「けっこう混んでるね」


「休日だから、仕方ないよね」


沖田くんの言葉に苦笑いを浮かべて、奥のほうへと歩いていく。


奥に行けば行くほど、大きな水槽とそこで泳ぐ魚たちが見えて、なんだか幻想的だ。


「きれい……」


しばらく歩いて立ち止まったところで、ポツリとそうつぶやいた。
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