影と闇
親友の転落
沖田くんとデートをした次の日。
2限が終わって休憩になったこの時間、教室に末那が現れた。
末那の登場に、クラスメイト全員がヒソヒソと会話をはじめた。
会話は聞き取りづらいが、末那に対しての嫌悪感が消えていないのはたしかだ。
私のところにやってきた蘭子と理子ちゃんも、私に聞こえる程度の声で笑っている。
「芦谷、今日も暗いオーラまとってるわね。近寄りたくないわ」
「たしかに。近づいたらオーラが移りそう」
「ふたりともそんなこと言うのやめようよ。気分が悪くなっちゃうよ」
私がそう言うと、ふたりは納得したような顔でうなずいた。