影と闇
口には出さないが、まるで末那がそう言っているみたい。


だけど、私は末那のところには行けない。


末那に裏切り者扱いされているし、もし行ったら蘭子と理子ちゃんに連れ戻されるだろうし。


末那にとって私は、もう親友ではないんだ。


そう思うと胸がキュッと痛くなる。


ギュッと口をつぐんでいると、教室の外からこちらを覗く沖田くんが見えた。


その瞬間、私と末那以外の女子全員が黄色い悲鳴をあげた。


さっきまで末那の話をしていたのに、すごい変わりようだ。


女子たちの反応にびっくりする私に、蘭子がポンッと背中を押した。
< 265 / 376 >

この作品をシェア

pagetop