影と闇
そう思い、私が涙をこぼした直後、末那の目がつりあがった。


「なんでここに来たんだよ! あんたみたいな裏切り者が来る場所じゃねぇんだよ、ここは!」


なんで末那は、私をここから追いだそうとしているの?


なんで私のことを“裏切り者”って言うの?


私、末那を裏切るようなこと、なにもしていないのに。


涙が止まらなくなる。


目からあふれた涙は頬をつたい、床に落ちる。


ポタッと音がしたところで、マサヤさんが末那の腕を掴んだ。


「末那、失礼だって言ってんだろ! せっかくお前の友達が来てくれたっていうのに、なんだその態度は‼︎」
< 308 / 376 >

この作品をシェア

pagetop