影と闇
「でも幼稚園のときに戻っても、同じことをやっちゃうだろうな。そのときの感覚がよみがえってくる」


包帯に巻かれた両手を顔の前に出す末那。


口もとは笑っているが、目が笑っていない。


その姿にゾクッとした。


「まぁ、自分が火だるまになって体が包帯だらけになったのは私自身のせいだね。自業自得」


その言葉を聞いて、3限の授業前の蘭子の言葉が頭の中で再生された。


『自業自得だよ。だって芦谷が自分でやったことが返ってきたんだもん』


自業自得。


自分の日ごろの行いによって、自分が追い詰められていった。
< 339 / 376 >

この作品をシェア

pagetop