影と闇
「末那。末那の恋を邪魔しちゃうかもしれないけど、私は沖田くんが好き。沖田くんも私が好きだと思う」


「……っ」


「だから、あきらめて」


下唇を噛みしめる末那に、はっきりとした口調で告げる。


そうでもしないと、末那に私の気持ちが伝わらないから。


握り拳を作って力を入れたそのとき。


悔しそうな顔をしていた末那が、突然顔を真っ赤にして怒った。


「茅乃ちゃんの嘘つき! 自分の恋より私の恋の応援を優先するって言ってくれたよね⁉︎」


「言ったけど……」


「私が恋で悩んでることがあれば相談に乗るとも言ったよね⁉︎」
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