影と闇
末那は、私と仲よくなる気は最初からなかった。


出会ったときから、私と末那は仲よくなれない運命だったんだ……。


ゲラゲラとおかしそうに笑い、目から涙をこぼす末那は、もはや普通じゃない。


私が見たかった心の闇を見せた偽善者だ。


クラスメイトに嫌われてクラスの影となり、私に心の闇を見せた。


そんな末那が、本当にいい人だとは思えない。


末那の心の闇を見るとわかっていれば、私は末那と仲よくならなかったかもしれない。


そう思ったとき、うしろからドアが開く音が聞こえた。


振り向くと、そこにいたのは沖田くんだった。
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