影と闇
その雰囲気を察したのか、蘭子は「ちぇ、ダメなのか」と言いながら席に座った。


その直後に蘭子の席の近くに座っている子たちが笑って「あはは、落ち込みすぎだってー」と蘭子の肩を叩くのが見えた。


楽しい雰囲気に包まれている蘭子たちをスルーして、先生が白い箱を一番前にある机に置いた。


今日はその席の男子が休みだったことに、今さらながら気づいた。


「はい、それじゃあ出席番号順にくじを引きにきてくれ」


先生のその言葉で、出席番号が1番の男子が教壇まで歩み寄った。


私はその姿をぼんやりと見つめているだけだ。


だけど、ボーッとしているときほど、時間はあっという間に過ぎていくもので。


トントンと隣の席の子に肩を叩かれた。


「次、片桐さんの番じゃない?」


そうか。私の出席番号は7番だから、すぐに自分の番がやってきたんだ。


慌てて席を立ち、先生のもとまで歩み寄り、白い箱の中に手を突っ込んだ。


これだと思ったものを取りだし、席に戻る。


席に座ったと同時に引いたくじの中をそっと見てみると、【5グループ】と書かれていた。


5グループか。


末那と同じだといいけど。


誰にも気づかれないように末那のうしろ姿に視線を向けた。


末那は出席番号3番なので、すでにくじを引き終わっている。
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