影と闇
でも、末那と同じグループになれなくてもいいか。


どちらにせよ、私が蚊帳の外にされることは想像できるから。


はぁ、と息を軽く吐くと、私の次にくじを引いた蘭子がこちらに駆け寄った。


「茅乃、引いたくじ見た? 何グループ?」


少し興奮していてテンションが高いのは気のせいだろうか。


今から修学旅行に行くわけでもないのに、なんだか楽しそうだ。


蘭子の表情は、まるでほしいものを買ってもらった子供のようだ。


蘭子のテンションが高いことに気づきながらも、気づかないフリをする。


「私? このくじを見てみたら、5グループって書いてあったよ」


引いたくじを蘭子に見せて笑顔を向けた。


そのときにふと思った。


そうか、蘭子と同じグループでもいいな。


たとえ末那と同じグループになれなくても、蘭子と同じグループになっても楽しいかもしれない。


心の中に期待は少しあったけど、大半は不安に支配されていた。


同じグループになる確率は、違うグループになる確率よりも低いと思い直したから。
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