影と闇
わかってる、わかってるの。


末那や蘭子と同じグループになれるわけがないってことは。


ギュッと目をつぶってそんなことを考えていると、近くで蘭子の嬉しそうな声が聞こえてきた。


「えっ、マジ⁉︎ じつはさ、私も見てみたら5グループって書いてあったの! ほらっ」


嘘。


一瞬だけ自分の耳を疑った。


今の蘭子の言葉が幻聴ではないかと思い、目を開けて確認してみる。


蘭子の言葉は幻聴でも嘘でもなかった。


蘭子の手の中にあるくじには、私が引いたくじと同じ文字が書かれていた。


今度は自分の目を疑ってしまう。


幻覚かと思って頬をつねるが、痛みだけしかやってこない。


頬をつねるのをやめたと同時に蘭子が私に抱きついてきた。


「やったー! 修学旅行、茅乃と同じグループになれてマジラッキーなんだけど!」


ジャンプしながら背中に腕をまわしてくる蘭子。


それがくすぐったくて、蘭子を抱きしめ返した。


私と蘭子がしばらく抱き合っていると、ひとりの女子がこちらにやってきた。
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