影と闇
「……ねぇ」
「ん? なに?」
「私と仲よくなりたいって言ってくれて嬉しいけど、末那とは仲よくなりたいって思ってる?」
聞きたかった。
蘭子たちの派手系グループ以外の女子に、これを聞きたかったのだ。
私が話しかける以前はいじめられっ子だった末那。
親友をいじめる側にいた蘭子たちとまったく同じ気持ちなのだろうか。
彼女は蘭子とは違う意見を言うのかと思った。
「芦谷さんか……。私はあんまり仲よくなりたいとは思わないな。鹿目さんたちに目をつけられるかもしれないっていうのもあるけど、一番は男子に好かれてるからかな。そういう女子ってムカつくし」
しかし、彼女の答えは私の考えと180度違っていた。
彼女が末那と仲よくなりたくない理由は、男子に好かれてるかららしい。
たいていの女子が答えるような言葉だ。
私はたとえ好きな人が末那に想いを寄せているとわかっていても、絶対に末那を親友だと言える自信があるけど。
だからかもしれない、『末那が好きじゃない』という言葉に敏感になってしまうのは。
だけど『そんなこと言わないで!』と正直に言える勇気を、私は持っていない。
「ん? なに?」
「私と仲よくなりたいって言ってくれて嬉しいけど、末那とは仲よくなりたいって思ってる?」
聞きたかった。
蘭子たちの派手系グループ以外の女子に、これを聞きたかったのだ。
私が話しかける以前はいじめられっ子だった末那。
親友をいじめる側にいた蘭子たちとまったく同じ気持ちなのだろうか。
彼女は蘭子とは違う意見を言うのかと思った。
「芦谷さんか……。私はあんまり仲よくなりたいとは思わないな。鹿目さんたちに目をつけられるかもしれないっていうのもあるけど、一番は男子に好かれてるからかな。そういう女子ってムカつくし」
しかし、彼女の答えは私の考えと180度違っていた。
彼女が末那と仲よくなりたくない理由は、男子に好かれてるかららしい。
たいていの女子が答えるような言葉だ。
私はたとえ好きな人が末那に想いを寄せているとわかっていても、絶対に末那を親友だと言える自信があるけど。
だからかもしれない、『末那が好きじゃない』という言葉に敏感になってしまうのは。
だけど『そんなこと言わないで!』と正直に言える勇気を、私は持っていない。