影と闇
せっかく仲よくなろうと声をかけてくれた彼女の存在を失いたくないと思っている私はついこう言ってしまう。
「そ、そうなんだ。私と仲よくなりたいって思ってるなら末那とも仲よくなりたいって思ってるのかな、って考えちゃって……」
曖昧な笑顔を浮かべてそう言うことしかできない私はなんて滑稽なんだろう。
女子にあまり好かれていない末那を、親友としてうまくかばうことができないなんて親友失格だ。
はぁ、本当にバカだな私。
なんて考えながら小さくため息をついたと同時に、修学旅行計画の紙を手にした蘭子が戻ってきた。
くっつけた5つの机の真ん中に紙をスッと置くと、蘭子がすぐに私たちのほうを見た。
「あれ? 茅乃って阪口(さかぐち)といつの間に仲よくなってたの? 私が紙を取りに行ってる間に?」
私たちの距離が、さっき見たときよりも縮まったように感じたらしい。
言葉が出ずに慌てる私に、理子ちゃんが蘭子に笑顔を見せた。
「うん。修学旅行で同じグループになったから、仲よくしようと思って。茅乃、私が思ったよりおもしろいもん!」
その言葉に私は目を見開いてそちらをバッと無意識に向いた。
「そ、そうなんだ。私と仲よくなりたいって思ってるなら末那とも仲よくなりたいって思ってるのかな、って考えちゃって……」
曖昧な笑顔を浮かべてそう言うことしかできない私はなんて滑稽なんだろう。
女子にあまり好かれていない末那を、親友としてうまくかばうことができないなんて親友失格だ。
はぁ、本当にバカだな私。
なんて考えながら小さくため息をついたと同時に、修学旅行計画の紙を手にした蘭子が戻ってきた。
くっつけた5つの机の真ん中に紙をスッと置くと、蘭子がすぐに私たちのほうを見た。
「あれ? 茅乃って阪口(さかぐち)といつの間に仲よくなってたの? 私が紙を取りに行ってる間に?」
私たちの距離が、さっき見たときよりも縮まったように感じたらしい。
言葉が出ずに慌てる私に、理子ちゃんが蘭子に笑顔を見せた。
「うん。修学旅行で同じグループになったから、仲よくしようと思って。茅乃、私が思ったよりおもしろいもん!」
その言葉に私は目を見開いてそちらをバッと無意識に向いた。