影と闇
いいの。


蘭子たちが悪いわけじゃないの、私がボーッとしていたのが悪いの。


「いいんだよ、気にしないで。それでなんの話してたの?」


「もう茅乃、聞いてなかったの?」


「あ、あんまり……」


「まったく。鹿目さん、茅乃に説明してあげて!」


なんの話をしていたのか聞くと理子ちゃんにそう言われてしまった。


しかも笑ってるし。


いったい私のどこがおかしいんだろう。


理子ちゃんに説明してと言われた蘭子もつられて笑ってるのを見たら、疑問しか感じない。


「しょうがないなー、もう1回だけだよ」


そう言って、蘭子はさっきまで出てきた提案を全部説明してくれた。


その提案の中に私が行きたいと思った場所があったため、行きたい場所がすぐに決まった。


「ふぅ、わりと早く話し合いが終わってよかった。行きたいとこバラバラかと思ったよ」


計画用紙にグループ行動計画を書き終えた蘭子が伸びをしながら安堵の息を吐いた。


蘭子だけでなく、理子ちゃんや男子ふたりもほっとしたような表情を浮かべている。


グループのメンバーがぐったりと机に突っ伏したタイミングで、計画用紙を持って席を立った。


「私、修学旅行の計画用紙出すね」


「サンキュー」
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