不完全美学
遠くから
翌朝リビングで顔を合わせたあたしとママは、ほんのり気恥ずかしさを感じていた。
決して不快じゃないんだけどくすぐったいような、そんな感じ。
それでもあたし達は一緒に朝食をとった。
トーストとハムエッグを、ママが作ってくれた。
教室に着くと、いつも通りあたしより早く登校していた真弓と目が合う。
真弓はちょっと不思議そうな顔をして言った。
「葉月、なんかあったの?」
「なんで?」
「なんか、いい顔してる」
あたしは、えへへって笑った。