不完全美学
放課後何もすることがなかったあたしは彼氏を呼んだ。
彼がよく行くカフェで、あたしはパンケーキを食べる。
また、あたしの病気が発症する。
「ねぇ、別れようか」
何気ないトーンで言うあたし。
「これ美味しいね」とか言うくらいのさりげなさで。
目の前の彼氏はただ呆然としている。
顔は格好イイし、優しい。
別に飽きた訳でもない。
それでもあたしは終止符を打ってしまった。
「本気?」
「ごめんね」
「そっか……」
沈んでゆく彼氏を見ているとチクチクと胸は痛かったけど、取り消しはしなかった。