不完全美学

なんだか分からないけど、不思議と胸のざわつきが治まる。

あたしは教室を出ていく真弓と淳司君に手を振って見送る。

二人が出て行った後、あたしはまた一人でぼんやりと窓の外を眺めた。


日が暮れるまではまだ時間がある。

教室はどこか別の場所で過ごしてみようかな。


そう思い立ったあたしは教室を出てフラフラと歩き出す。

別の場所と言っても、部活にも入ってない生徒が自由に出入り出来る部屋は限られている。

外は寒いし。

あたしは図書室を選んだ。
本なんか滅多に読まないけど、ぼんやりするには調度良さそうだったから。
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