不完全美学

入口には眼鏡をかけた典型的な図書委員の女の子がいて、貸出カードを管理している。

左手に何列もの本棚が並べられていて、右側には沢山のテーブルと椅子がある。

本を読む人や勉強してる人がちらほら居た。


あたしは足音に気をつかいながら彼らの横をすり抜ける。

そうしてあたしが着いた席は、一番奥の窓側。

無意識に選んだその席だったけど、窓の外に視線を移すとわずかに胸が跳ねた。

3つある棟の真ん中の棟、二階にある図書室。

そこから奥側の棟の一階にある美術室がちょうど見えるんだ。
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