不完全美学
あたしはまた図書室に行く前に購買へ行き、いちごみるくを買った。
それはもう最後のひとつだった。
図書室に向かう途中、あたしは足を止める。
少し考えて、方向転換した。
こっそりと静かに美術室に近寄るあたし。
凪は気付いていない様子。
開かれた窓際にはまだ飲み物はない。
あたしはソロソロと手を伸ばすと、いちごみるくを外側から窓際に置いた。
屈めていた身をさっと起こしてその場を去る。
すると、小走りなあたしを呼び止める声。