不完全美学
翌日のあたしは悩んでいた。
真弓に話すべきかどうかについて。
あたしは多分、凪を好きなんだと思う。
だけど認めたくなかったり、疑っている自分も居るんだ。
あんな陰気な奴にあたしが惚れるはずないって、どこかでそう思ってる。
「葉月、次は教室移動しなきゃだよ」
「あ、うん」
あたし達は教科書と筆箱を持って次の教室に向かう。
真弓の話に相槌を打ちながらも、あたしはモヤモヤしたものを抱えていた。
もう少し確信してからにしよう。
あたしはそう決めた。