不完全美学

凪がぐんと伸びをして、その細い肩を回す。

あたしはただ黙ったまま、八分咲きの蓮の花を見つめる。


なんだか格好悪い、あたし。

拒否されることにビビッたことなんて今までなかったのに。

あたし、小心者になっちゃったのかな。

て言うか、男に拒否されるかもしれないなんて考えなかったんだ。


凪は赤や白なんかを巧みに使ってみずみずしく花びらを描く。

あたしはその眼に、その指に、引き寄せられそうだ。
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