不完全美学
翌日あたしは放課後、真弓とお喋りを楽しんでいた。
美術室に行く踏ん切りがつかなくて、だけど帰る気にもなれなくて。
購買で買ったお菓子をつまみながら、真弓に付き合って貰ってるんだ。
「ほんとに行かなくて良いの?」
あたしはコクンと小さく頷いてみせた。
「だって、なんだか普通に出来なくて」
ダイエットをしていたはずの真弓もお菓子に手を伸ばす。
冬はちょっとくらい太ってもバレないからだって。
「会いたくないの?」
真弓はわざと悪戯っ子みたいな眼をして聞く。