不完全美学

友達に紹介して貰った男は、いかにも女好きっぽいチャラい奴だった。

だけど顔もスタイルも良かったし、数日後あたしはそいつと付き合うことにしたんだ。


ダルい授業をこなした後、あたしは彼氏と駅前のクレープ屋さんに行くために早々と教室を出た。


近道するために中庭を抜けて裏口に出る。

軽快に駆け抜けるあたしの目に、美術室の窓が開いているのが見えた。

そしてその奥に見える栗色の髪にも、気がついてしまった。
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