不完全美学
あたしがここに来る理由。
あたしと凪の関係。
そんなの答えられるわけがない。
あたし自身よく分からないんだから。
「トモダチだよ」
仕方なく答えたそれはあまりにも違和感があって、なんだか不快だった。
梓はふうん、と一応納得したみたいに頷くと、パッと凪に目を移す。
「でも部活中に部員以外の人が出入りするなんて、良くないですよ」
さも真面目な部員のような口調で、凪に訴える梓。
凪は関心なさげな表情のまま、小さくため息をついた。