不完全美学

あたしがここに来る理由。
あたしと凪の関係。

そんなの答えられるわけがない。
あたし自身よく分からないんだから。


「トモダチだよ」


仕方なく答えたそれはあまりにも違和感があって、なんだか不快だった。


梓はふうん、と一応納得したみたいに頷くと、パッと凪に目を移す。


「でも部活中に部員以外の人が出入りするなんて、良くないですよ」


さも真面目な部員のような口調で、凪に訴える梓。

凪は関心なさげな表情のまま、小さくため息をついた。
< 177 / 252 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop