不完全美学
逃げ
椅子に座っていた梓はパッと足を組む。
梓はあたしと同じ匂いがする。
少し前の、ゲームみたいに男をオトしていたあたし。
強気で自信に溢れた瞳。
「先輩、邪魔しないで下さいね」
あたしは何も言わず、そばにあった椅子に腰掛ける。
梓は小柄で太くはないけど細くもない。
だけどアーモンド形の力強い瞳が印象的な、それなりの美少女だった。
ふうん。
その時凪が購買から戻って来て、また無愛想にキャンバスに向かった。
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