不完全美学
飛び出して来たは良いものの、家に帰る気にもなれなくて。
近くの公園に立ち寄り、ベンチに腰を下ろした。
この公園は凪の帰り道にある。一緒に帰った時に凪の家の方向は覚えていた。
あたしは自動販売機で温かいミルクティーを買い、手の平と身体を温めた。
まだ時間も早いため、公園には何人かの子供が居る。
頬っぺたを真っ赤にして走り回っている。
次第に日が落ちてゆき、子供達も一人、また一人と居なくなっていった。
夕暮れの公園にあたしは一人だった。