不完全美学

進路


ざわめく教室の窓際の席で、ぽかんとした顔の真弓。


「やっぱ変わったね、葉月」


あたしは昨日凪に告白したことを告げた。

あたしがあんな風に勢いで告白してしまったことに驚いている様子。


「計算高いのが葉月だったのにね」


そう言って笑った真弓はどこか嬉しそうだった。



「あたし、どうすれば良いのかな」


凪は「分かった」としか言わなかったし、凪の気持ちは分からない。

まあ、凪があたしを好きだなんて到底思えないけど。

あたしはまた美術室に行けるのか、返事を聞かないで良いのか悩んでいた。
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