不完全美学
なんなのよ、一体。
表情を変えずに言葉を続ける凪を見ながら、今日はよく喋るな、とぼんやり思った。
外の気温は低く、風は冷たい。
なのにあたしと凪は道端で立ち止まったまま。
あたし達の間には一定の距離がある。
この距離を埋めることは、できないのかな。
あたしと凪の距離は、ずっと開いたままなのかな。
どうしようもない不安があたしを襲う。
「凪……」
「それに、優しくもなければ、マメでもない」
凪はまた続ける。