不完全美学
翌日あたしが学校に行くと、真弓がわざとらしい呆れ顔をあたしに向けた。
「おはよー、真弓」
「葉月、またやったんだって?」
あたしはヘラりと笑い、真弓の後ろの席につく。
真弓はこの高校に入学した当初からの友達。
ずっと同じクラスで、誰よりもあたしに詳しい。
もしかしたらあたしより詳しいかも。なんてね。
真弓の言う『またやった』は、また男に飽きて別れたってこと。
ほんとにあたし、よくやるから。