不完全美学
淳司君が教室に迎えに来て、真弓も帰って行った。
二人の後ろ姿を見てると多少羨ましくはなる。
だけどきっと、あたしにはあんな風な付き合い方は出来ない。
性質的に無理なんだ。
あたしはつまらなくなって、一人学校を出た。
フラフラと目的もなく街を歩く。
あぁ、つまんない。
その時たまたますれ違った背の高い男。
服装はカジュアルで歳はあたしより少し上くらい。
あたしは方向転換をして、その男を追いかけた。