不完全美学
放課後あたしは美術室の中を通って、その隣にある準備室の扉を開けた。
「凪〜?」
凪は部屋の奥の棚から古い絵やら資料やらを取り出していた。
床には凪が取り出したのであろう沢山の絵がまとめられている。
部屋は背の高い棚に囲まれていて、絵の他にも画集やら資料やらでいっぱいだった。
色々な画材も溢れていて、物置って感じだ。
「ねぇ、何か手伝わせて」
「別にいいって。かえって邪魔だ」
あたしはわざとらしく膨れてみせた。
床にまとめられた絵や、資料なんかに目をやる。